35.堀江貴文『ゼロ』

【対談】堀江貴文×水道橋博士 (2013年5月31日 『婦人公論 6月22日発売7月7日号』対談時に収録)

著者プロフィール/堀江貴文

福岡県生まれ、実業家。 
東京大学文学部中退。在学中の1996年、ウェブページ制作請負会社である有限会社オン・ザ・エッヂを設立し、当時まだ未知数であったインターネット業界に参入。2002年、経営破綻した旧ライブドアから営業権を取得し、様々な会社を買収し急成長させた。2011年4月、証券取引法違反により懲役2年6ヶ月の実刑判決を受けた。釈放後は「六本木で働いていた元社長」として様々な分野で活躍。11月5日に新刊『ゼロ』発売予定。愛称はホリエモン。

【博士による著者紹介】

 『藝人春秋』に一章を割いて、彼との出会いと関係を描いているが……。 
 ボクが知り合ったのは今から0年前、ホリエモンがまだ20代最後の年。ボクにとってはITの人であり、旬の人であり、“金” の人であった。 
 著者も数多く、対談前に目を通したが、毎回、“理”系の人であり“論”の人であっても“文”の人ではなかった。 
 その後はご承知の通り、波瀾万丈の30代を過ごし、獄に入り、獄から出た。 
 いっとき、百瀬博教さんの影響で獄の中に読書をすることに憧れていたボクは、出所後の彼の“文”は気になった。

『刑務所なう』(文藝春秋)はひとつの成果だったが、あれだけ本を読み漁ったのだから、もっと“文”藝として心の深い層で体験を描いて欲しかった。 
 出所後、すぐにTwitter上で交遊が再会。 
 4月30日の『ザ・水道橋 in 座・高円寺 vol.1〜園子温芸人デビュー〜』にも二つ返事で飛び入りしてくれた。 
 そして、9月25日。TBS『オトナの!』の収録ですれ違った。 
 ボクが挨拶と一緒に半世紀年表を手渡すと、「次回作は是非、読んでください。今までのものとは違います」と断言した。

「堀江さんもそうだろうけど、次から次へと仕事の資料読みに追われて献本されても優先順位があがらないと、本を読む時間がないんですよ、今すぐは難しいかもしれません」とボクは答えた。 
 「それと、先日の『婦人公論』の対談はカット部分を含めてテープ起こししているので、是非、『水道橋博士のメルマ旬報』で連載させてください。掲載後の使用はОKと編集部の承諾は得ています」 
「もちろん、でも、原稿をもう一度、使いわますのは面白い発想ですね」 
 そう言って、別れた。 
 そして、対談起こしの連載をスタートさせようとしたところ、ホリエモンから、単行文の新作の事前連載を打診された。

これも面白い発想だった。


この企画は、11月5日(火)発売の新刊【ゼロ】を盛り上げるために、堀江貴文ミリオンセラープロジェクトを立ち上げたことから生まれている。 
https://www.facebook.com/horiemillion

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基本スタンスとして、本が出来る前段階からその編集過程も、プロモーションもfacebook上にダダモレさせながら世に出していこうというプロジェクトだ。 
 この企画は本になる前の原稿を集めるという、この『水道橋博士のメルマ旬報』のコンセプトにも近い。 
 そのプロジェクトの一環として、ホリエモンの基本スタンスとして【ゼロ】の序章もクローズドにせず、できる限り多くのウィンドウで展開させ広めていきたいとのこと。

今のところ決まっているのは、ホリエモン自身のメルマガと、WEBサイトCAKES、そして『水道橋博士のメルマ旬報』に同時掲載される。 
 今後も配信メディアが増える可能性はあるが、その模様も含めてミリオンセラープロジェクトで公開し、ガラス張りのなかで本当にミリオンセラーが生まれるか。という実験含みの、いろいろと新しい試みだ。

 お陰で、ボクも、ホリエモンの“文” を読むための優先順位が上がった。

 そんなわけで、ホリエモンの2本立て、乞うご期待。